普通に釣りをしていただけなのに、何故か竿が折れた!まだ1回しか使っていないのに竿が折れた!
もう頭にきた、釣具屋にクレームだ!
ちょっと待ってください!確かに使用1回で折れたり、見に覚えが無いのに折れたら頭にくるのはわかります。
ただ、その怒り、そのままぶつけないでください。まずは一旦冷静になって落ち着きましょう。
僕は、元釣具屋店員だったので、この手のクレームは数え切れないくらい受けたことがあります。
そこで、今回は元釣具屋店員だった僕がメーカーにクレームを出すときのポイントと注意点についてお話させていただこうと思います。
Contents
釣具をクレームに出すときの流れ
まず、1つ先に言わせてください!
いの一番に、メーカーに直接電話するということはやめてください!
通常、世の中に存在するありとあらゆる製品は、メーカーに直接電話すれば、お客様相談センター的なところにつないでくれますが、釣具の場合そんなものは存在しません。
メーカーに電話しても、受付のお姉さんが出るだけです。そして言われるのが次の一言
『お客様のご指摘事項に関しましては、最寄りの釣具店様を通して私共に送ってください』
釣具業界の場合、メーカーが直接お客様に取り合うことは、まずしません。釣具店を通して、クレームを出すことになります。
基本的には、そのメーカーを扱っている釣具店から出せますが、購入されていない店舗にクレームを言われても正直かなり迷惑になります。
必ず、購入したお店に持っていきましょう!
そして、竿が折れた場合は、必ず、折れた部分を全部持っていきましょう。
よくあるのが、『ロッドが折れて、頭にきたから穂先はその場に捨ててきた』というもの
メーカーが検査するときに、少しでも判断材料があれば、クレームが通るかもしれません。
船などに乗っていたり、磯場だったりすると、どうしても流されてしまって回収が不可能かもしれませんが、そういう場合を除いて、回収できるのであればちゃんと回収して折れた竿と一緒に持っていくとベターです。
釣具をクレームに出す前に!まずはどのような状況で折れたのか整理しましょう。
これ、実はめちゃくちゃ重要です。
シマノやダイワなどの大手メーカー製品をクレームとして出すときは、修理伝票と別に、クレームに関する伝票を送付します。
具体的には
- 糸の材質は何か?
- 何号の糸を使っていたか?
- 使っていたオモリやルアーウェイトは?
- どのような状況で折れたのか?
などといったようなことを事細かに書きます。
折角の釣りが台無しになってしまったので、怒る気持ちはわからなくもないですが、どのうなシチュエーションで折れたのかを、キチンと説明できるようにしておきましょう。
クレームは通るのか?クレーム受付時にやってはいけないこと
僕の経験上、基本的にはクレームは通らないと考えてください。
特に、竿の折れた系のクレームは十中八九、通ったのを見たことはないです。僕自身も竿が折れるのはその人のロッド操作が悪いと考えています。
この動画で、村田基さんが竿の扱い方について、説明してますので、一度見ておくことをおすすめします!
僕自身も竿を売るときは、お客さんにこういう操作をしないように説明をしていました。
話を戻しますが、クレームが通るかどうかは以下の条件も重要視されます。
- 初回使用かどうか?
- 使用回数はどれくらいか?
- 傷はないか?
初回使用だとか、使用回数が少なく、状態もいいと割とクレームを通してくれることもあります。
逆に、使用回数が少なくても傷などがあり、明らかに破損するような雑な使い方をされていると、クレームは却下されます。
最終的にクレームが通るかどうかはメーカーの判断次第となります。
ですので、釣具店の店員さんに怒りをぶつけるのはやめましょう。店員さんはお客さんの話を聞くことしかできないので、釣具店の店員さんに怒りをぶつけても何も解決にはなりません。
僕の場合だったら、怒りをぶつけて、偉そうな態度を取る様なお客さんだったら、絶対になんとかしてあげたいとは思いません。
店員さんも人間なので、そんなことされたら、ムカつくわけです。
それよりも、大事なのは、むしろ釣具店の店員さんを味方につけることです!
冷静に折れたときの状況を話して、おかしいと思いませんか?と店員さんに投げかけることで、店員さんを巻き込んでしまうのです。
僕自身、お店で働いているとき、そのような話し方をされて、確かにおかしいなと自分が納得した場合は、お客さんの味方になっていました。
店員さんに、兎に角、納得ができないということをメーカーに伝えてほしいということを、しっかり伝えましょう!
クレーム対応でシマノやダイワはどんなことをやる?
竿の場合は、破断検査と言って、預かったロッドを破断することで、製品上不具合が無いかを検査します。検査結果は拡大写真にて、預かり品と一緒に送られてきます。
先程、竿のクレームは十中八九通らないといったのは、僕の経験上この破断検査で不具合が見られたケースが全く無いからです。
竿をクレームに出しても、ほぼ100%『製造上の欠陥は見受けられませんでした』という返答が帰ってくるだけです。
リールの場合は、だいたいゴリとかシャリ系のクレームが多いので、一旦、分解します。
ギアなど特定のパーツに不具合が認められた場合は、その部分を無償で交換して返却されます。
内部部品に不具合が認められない場合は、オーバーホールと同じように、分解、注油、グリスアップをして返却してくれます。
僕の感覚的にはリールは使い方が丁寧で、誰が回してても、ゴリやシャリなどがあれば、メーカーも割と良い対応をしてくれます。
しかし、それは明らかにリールに不具合がある場合です。
リールを買うときに気にされる『なんか巻きに違和感がある』などの、微妙な感覚のものは取り合ってくれないことがほとんどということを頭に入れておいてください。
クレームが通るかどうかは店員さんの腕次第のところもある
クレームが通るかどうかの第1関門は各メーカーの修理部門次第です。
ここで、クレームが通れば、それで終わりですが、通らなければそのことをお客さんに伝えなくてはなりません。
しかし、元々クレームで出されたもの。お客さんがそう簡単に納得するはずもありません。そこで、店員の対応の見せ所となるのです。
特に竿の場合は、絶対メーカーの修理部門ではねられるので、店員の対応でなんとかするしかありません。
僕がよくやっていたのは、お客さんに折衷案を提示するということでした。
具体的には、不具合は認められなかったので、無償交換はできません。
ただ、今回、幸いにも保証期間内なので、保証書の免責金額はお支払いいただかなくてよいので、お客様の保証書を使わせてください
という、保証修理を無償で提供するということをしました。そうすることで、大概のお客さんが納得してくださいました。
それでも、お客さんが納得しない場合は、仕方ないので店舗の担当営業マンと相談して、無償で対応したりもしました。
ただ、これは最終手段なので、営業マンがノルマ達成で困っているときに恩返しをしなくてはならないという店側のリスクも伴います。
これは、あくまで僕がやっていたクレーム対応なので、よそのお店の店員や、その担当営業が必ずしも、そのように対応してくれるとは限りませんので、その点だけ誤解のないように、お願いします。
クレーマーのブラックリストは存在するのか?
これは、僕がヤフー知恵袋で見た、面白い質問内容なので、ここで答えさせていただきます。
結論から言うと、クレーマーのブラックリストはおそらく存在すると言えます。
これは、具体的にそのようなリストを僕も見たわけではありません。
しかし、クレーム対応したときに、某大手メーカーの営業マンに、とあるクレーマーの名前を出したら知っていました。
そのとき、営業マンが放った言葉は
『ああ、あの人ね!僕、何回も対応したことありますよ。今回も僕が対応しとくわ!』
通常は、クレームは釣具店の店員が対応するもの。メーカーの営業マンが直接クレーマーとやり取りするということは、まずありません。
また、別のクレームを受けたとき、先程の話とは別の某大手メーカーの営業マンに話したところ、
『その人、前もトラブった人ですよ。なので注意してくださいね。』ってことを言われたこともあります。
これらのことから、察するに、全国レベルで、要注意人物が回ってる可能性は低いですが、管轄の営業所レベルで要注意人物の情報が回っているのは、なくは無いと言えるのではないかと思います。
釣具のクレームに関することまとめ
今回、僕の釣具店での経験をもとにクレームに関することを書いてみました。
おさらいすると
基本的にはクレームは通りません。特に竿は、ほぼ100%無理
クレームが通りやすいのは以下の条件のときのみです。
- 初回使用
- 使用回数が少ない
- 使い方がキレイ
ただ、この条件にあてはまっても、通らないことが多いので、期待はしないでください。
あとは、ホント店員さんと担当営業の対応が良いかどうかというところ次第です。
最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。